Googleマップに星1つの口コミが付いた。「店員の態度が悪かった」とだけ書かれていて、誰の対応のことか分からない。何か返したほうがいいのは分かっているのに、言い訳に見えないか、火に油を注がないかと考えているうちに数日が過ぎ、良い口コミにもお礼を返せないまま溜まっていく。飲食店、美容室、整骨院、工務店など、地域のお客様を相手にする会社でよく聞く悩みです。
この記事では、口コミへの返信で迷わないための考え方と、そのまま手直しして使える返信例を紹介します。ポイントは、口コミを「種類」で分けて、種類ごとに返し方の型を決めておくことです。
口コミの返信が止まってしまう理由
返信が溜まるのは、手間がかかるからというより、毎回「どう返すべきか」を一から考えているからです。特に止まりやすいのは次の3つの場面です。
- 否定的な口コミに、どこまで反論してよいか分からない: 事実と違う内容が書かれていると、正したくなる。一方で、反論すると印象が悪くなる気もして手が止まる
- 誰が返信するか決まっていない: 店長が返すのか、本部が返すのか、担当者が返すのかが曖昧で、結局だれも返さない
- 良い口コミへのお礼が毎回同じ文になる: 「ありがとうございます。またのご来店をお待ちしております」の繰り返しになり、書く意味を感じなくなる
口コミの返信は、書いた本人だけでなく、これからお店を選ぶ人も読んでいるものです。返信の目的を「書いた人に言い返すこと」ではなく「次のお客様に、誠実な会社だと伝わること」と置くと、判断がぶれにくくなります。
口コミは4種類に分けて、返し方を決めておく
届く口コミは、おおむね次の4種類に分けられます。種類ごとに「何を書くか」を決めておけば、返信のたびに悩む時間はほとんどなくなります。
- 具体的にほめてくれた口コミ: お礼に加えて、触れてくれた点(料理名、担当者、施術内容など)を1つ拾って返す
- 星だけ・一言だけの口コミ: 短いお礼でよい。無理に長く書かない
- 改善点を具体的に書いた口コミ: お礼とお詫び、確認したこと、今後の対応を書く
- 事実と違う・攻撃的な口コミ: 感情的に反論せず、事実関係は落ち着いて短く伝え、詳しい話は電話や店頭で伺うと案内する
このうち時間をかけるべきなのは、3つ目と4つ目だけです。1つ目と2つ目は型があれば1分もかからずに返せます。
そのまま使える口コミの返信例
以下はあくまで骨組みです。店名や具体的な内容に合わせて手直ししてください。
具体的にほめてくれた口コミへの返信例
「ご来店いただき、ありがとうございます。季節限定の〇〇を気に入っていただけたとのこと、担当した料理長にも伝えました。来月からは〇〇も始まりますので、また近くにお越しの際はお立ち寄りください。」
改善点を書いてくれた口コミへの返信例
「このたびはご来店いただきありがとうございます。お待たせしてしまったうえ、ご案内も行き届かず、申し訳ございませんでした。当日の状況をスタッフと確認し、混雑時は受付でおおよその待ち時間をお伝えするよう改めました。いただいたご意見を、今後の運営に生かしてまいります。」
事実と違う内容が書かれた口コミへの返信例
「ご意見をお寄せいただきありがとうございます。ご不快な思いをさせてしまったことをお詫び申し上げます。当店では〇〇の対応を行っておりますが、ご案内が十分に伝わっていなかった可能性もございます。詳しい状況をお伺いしたく、お手数ですが店舗までお電話いただけますと幸いです。」
どの返信にも共通する注意点があります。お客様の名前や来店日など、個人が分かる情報は書かないこと。返信の中で値引きや補償を約束しないこと。また、口コミを書いてもらう代わりに割引や特典を出すことは、Googleの口コミのポリシーで禁止されている点にも気をつけてください。
返信を続けるための社内の決めごとと、生成AIの使い方
返信例があっても、担当が決まっていなければ止まります。最低限、次の3点だけは決めておきましょう。
- 担当者と頻度: 「毎週月曜の朝に店長が確認する」のように、人と曜日を決める
- 上に相談する基準: 事実と違う内容、特定のスタッフへの批判、返金や補償の話が出たものは、返信前に責任者が確認する
- 返信例の置き場所: 上の4種類の返信例を1つの文書にまとめ、だれでも見られる場所に置く。よく使う言い回しが増えたら追記する
問い合わせメールの返信と同じで、型は育てていくほど速く、ぶれなくなります。返信テンプレの作り方は問い合わせメールの返信が追いつかない|返信テンプレの作り方と使い分けで詳しく解説しています。担当者が替わっても回るようにする考え方は属人化して引き継げない業務をなくす|マニュアルを作り続ける仕組みも参考になります。
生成AIは「下書き係」として使う
口コミの返信は、ChatGPTなどの生成AIと相性のよい作業です。口コミの本文と上の返信例、守ってほしい条件(お店の名前、言い訳をしない、個人情報を書かない、200字以内など)を渡せば、下書きはすぐに出てきます。具体的な指示の出し方はChatGPTプロンプトの書き方|そのまま使える業務別テンプレート5選を参考にしてください。
ただし、そのまま投稿はしないでください。生成AIは、実際には行っていない改善策を書いたり、丁寧すぎて気持ちの伝わらない文になったりすることがあります。事実の確認と、最後のひと言の調整は人が行うのが前提です。お客様の情報をAIに入力するときの線引きは、生成AIの社内ルールの作り方で整理しておくと安心です。
まとめ: 今日やる最初の1ステップ
口コミの返信で迷うのは、返し方の基準がないからです。口コミを4種類に分け、種類ごとの返信例と担当者を決めておけば、返信は「考える作業」から「選んで少し直す作業」に変わります。
今日の最初の1ステップは、未返信の口コミを開いて、1件ずつ4種類のどれに当たるかを書き出すことです。分けてみると、すぐ返せるものが意外と多いことに気づくはずです。まずはほめてくれた口コミから、今日中に返信してみてください。
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