プロンプトが変われば、回答の質は別物になる
「ChatGPTを使ってみたけれど、返ってくる答えがいまいち使えない」。 そう感じて使うのをやめてしまった方は、非常に多くいらっしゃいます。 しかし、それはChatGPTの限界ではありません。 ほとんどの場合、原因は指示(プロンプト)の出し方にあります。
同じ質問でも、プロンプトの書き方ひとつで回答の質は別物になります。 そして幸いなことに、良いプロンプトには誰でも真似できる「型」があります。 本コラムでは、その基本の型と、明日からそのまま使える業務別のテンプレートを紹介します。 コピーして貼り付け、あなたの業務内容に置き換えるだけで使えるように作りましたので、ぜひ実際に試しながら読み進めてください。
基本の型は「役割・目的・条件・形式」の4点セット
良いプロンプトに共通するのは、次の4つの要素が入っていることです。
- 役割:あなたは誰として答えるのか(例:あなたはベテランの営業マネージャーです)
- 目的:何のためのアウトプットか(例:新規顧客への提案メールを作りたい)
- 条件:前提や制約(例:相手は初対面、300字以内、丁寧すぎない文体)
- 形式:どんな形で出力してほしいか(例:件名と本文を分けて、箇条書きで)
「この文章を考えて」というあいまいな指示は、新入社員に「いい感じに資料を作っておいて」と丸投げするのと同じです。 優秀な部下に的確に指示を出すつもりで、この4点を伝える。 それだけで回答の精度は大きく変わります。
そのまま使える業務別テンプレート5選
①ビジネスメールの下書き
毎日のメール作成は、生成AIが最も得意とする業務のひとつです。
あなたは経験豊富なビジネスパーソンです。以下の内容を伝えるメールの下書きを作成してください。
・相手:〔取引先の担当者。関係性を書く〕
・伝えたいこと:〔納期を1週間延ばしてほしい など〕
・条件:礼儀正しいが硬すぎない文体。言い訳がましくならないように。
・形式:件名と本文。本文は300字程度。
②会議メモの議事録化
走り書きのメモを貼り付けるだけで、整った議事録に変換できます。
以下は会議中の走り書きメモです。これを議事録に整えてください。
・形式:「決定事項」「保留・継続議論」「宿題(担当者と期限)」の3項目に整理
・注意:メモにない内容を推測で追加しない。不明瞭な箇所は「要確認」と明記する。
〔ここにメモを貼り付け〕
ポイントは「推測で追加しない」という一文です。 これを入れるだけで、AIが勝手に話を補完してしまう事故を防げます。
③SNS投稿文の作成
あなたは中小企業のSNS担当者です。以下の内容でX(旧Twitter)の投稿文を3案作成してください。
・告知したいこと:〔セミナー開催、新サービスなど〕
・ターゲット:〔30〜40代の経営者 など〕
・条件:140字以内。宣伝色を強くしすぎない。絵文字は1〜2個まで。
・形式:3案を並べて、それぞれの狙いを一言添える。
「3案作成して」と複数案を頼むのがコツです。 1案だけだと当たり外れに振り回されますが、3案あれば良いところを組み合わせられます。
④企画のたたき台作り
あなたは新規事業の企画担当です。「〔テーマ〕」について、企画のたたき台を作ってください。
・形式:「ターゲット」「課題」「解決策」「想定される反論とその答え」の4項目
・条件:一般論ではなく、〔自社の業種〕の会社が実行できる具体性で書く。
「想定される反論とその答え」まで出させるのがポイントです。 社内で企画を通すときの準備が、この時点でほぼ終わります。
⑤ExcelやスプレッドシートのDX相談
Excelの操作について教えてください。
・やりたいこと:〔A列の氏名とB列の部署を組み合わせて、部署ごとの人数を数えたい など〕
・条件:関数名だけでなく、実際に入力する数式の例と、その意味の解説もつけてください。
いまいちな回答が返ってきたときの立て直し方
テンプレートを使っても、一発で完璧な回答が返ってくるとは限りません。 そこで重要なのが、会話を続けて育てるという発想です。
- 「もっと具体的に」ではなく、どこが物足りないかを伝える(例:「2つ目の案を、もっと若い層向けの言葉遣いにして」)
- お手本を見せる(例:「過去にうまくいった文章を貼るので、このトーンに合わせて」)
- 逆に質問させる(例:「良い提案をするために足りない情報があれば、先に私に質問してください」)
特に3つ目の「逆質問」は強力です。 自分では気づいていなかった前提のヌケモレを、AIが先回りして埋めてくれます。
まとめ:テンプレートは「入口」、育てるのは自分の型
今回紹介した型とテンプレートは、あくまで入口です。 実際に業務で使ううちに、「自分の仕事ではこの条件を足すと上手くいく」という発見が必ず出てきます。 それをテンプレートに書き足していけば、あなた専用の最強の指示書が育っていきます。
まずは今日、メール1通からで構いません。 コピーして、貼り付けて、自分の業務に置き換える。 その小さな一歩が、毎日の仕事の時間を確実に変えていきます。
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